
眼鏡と私の付き合いは、辞書の小さい字が読めなくて、乱視入り遠視の眼鏡を掛けた中学2年生の時に始まりました。その後コンタクトレンズが発売されたので、それを使い、40才頃から読書にはコンタクトレンズの上に老眼鏡を掛けました。
58才から英国でアレキサンダー・テクニークの教師トレーニングhttp://www.stat.org.ukを3年間受けました。教室内での眼鏡、コンタクトレンズは使用禁止でしたから、乱視と老眼に対応する眼鏡を作り、本を読む時にだけ使用しました。
眼鏡なしの日常生活に馴れた頃、視力が上がったことに気付きましたが、読書には眼鏡が必要でした。
日本に帰って来てから、2010年に或るワークショップに参加し、乱視を自分でコントロール出来る貴重な経験をしました。
そのワークショップは、ベイツ・メソッドの理論を応用しているとのことでしたから、もっと良く理解しようと思いました。
先ず、ベイツ・メソッドについて調べようと探したところ、日本語ではベイツの本は一冊も出版されていないのです。英語で10冊以上見つかりましたが、医学専門用語が難解なのではと懸念しました。
ところが、手に入れた本は一般の人を対象に書かれていて適当に説明があり、眼科の知識のない私でも難なく理解出来ました。
“老眼、近視、遠視、乱視、斜視等は不治の病ではない”“何故ならば予防も治療も出来る。これらは目を緊張させる為に起きる症状で、緊張を解けば、眼鏡が不要になる”と書いてあるのを発見しました。正直なところ、私は、それまで、目の症状は軽減して楽になるとしても、完全に治るとは思っていなかったので大変な驚きでした。
その後、日本語への翻訳が自由に出来ると知りました。ベイツ博士自身が書いたオリジナルの版権は1948年に切れているとのことでした。
自由に、日本でも出版が出来るようになってから65年もたっているのに、誰も翻訳していない・・・と何とも残念な気持でした。
近年、一般的にも、緊張を解いて、身体機能を向上させる健康法に、関心が集まっています。幸いに私は、アレキサンダー・テクニークで、不健康になる原因 即ち、緊張について学び、どうしたらそれを避けて生活出来るかを学びました。そして、十数年間、イギリスと日本で教える仕事をしてきました。
リラックスすることで、身体機能の回復を促すためには、身体を単に休めるとか、仕事を止めてのんびりするだけでは不充分です。自分がどんなふうに緊張しているかに気付いて、それを解きほぐす方法を見付けなければなりません。これはアレキサンダー・テクニークが可能にしてくれます。
目の機能を回復する方法も同じ過程をたどります。気持の緊張を解く以外に方法はないと断言したベイツ博士の言葉に心から感激してこのオリジナルの本を翻訳しようと決めました。
メガネにも手術にも薬にも頼らずに、多くの人が、視力を回復しています。目と脳と心のつながりを学ぶと、本当のリラックスが得られます。
目も身体も、健康になるために緊張を解くことが重要な鍵であり、その鍵を手に入れる一つの方法がここにあります。‘目を緊張させない’とはどんな状態なのかを分かり易く書くことに専念しました。
回復不能な目は稀にしかないのです。私個人の経験は、眼鏡で矯正しなければならないと云われた時、生まれつきの悪い目だと信じました。本当の理由を、長い間知らなかった訳です。
目の緊張を解いた今の私は裸眼で、針に糸を通せます。生まれつきの遠視ではなく、緊張して目を使った結果だったのです。小さな字(この文字の1/4位)を10センチの近い所から裸眼で読めるようになりました。乱視も遺伝ではなかった証拠に、映像が二重になることも無くなりました。普通の人より遠い距離からでも字が読めます。
この本にある訓練を始めて8カ月で、両目とも改善され、眼鏡のいらない目にもどりました。